マカオ式エッグタルト

阪神か巨人か。馬場か猪木か。バルサかレアルか。バースかクロマティか。けだし世に諍いの種は尽くまじく、香港式とマカオ式のエッグタルト (蛋撻) も、永遠に答えの出ない問いの一つだ。「差唔多〜」などと不粋なことを言ってはいけない。なかにはエッグタルトのためだけに、珠海から香港、マカオへと渡る猛者もいるのだ。食感重視の日本人としては、パイ生地を使い、こんがりと焦げ目のついたマカオ式に軍配を上げたいところなので、今回は、マカオのエッグタルトをご紹介する。

 

マカオでエッグタルトと言えば、マカオ半島のリスボア・ホテル裏手に位置するカフェ・エ・ナタ (瑪嘉烈蛋撻店) と、マカオ最南部コロアン島のロード・ストウズ・ベーカリー (澳門安徳魯餅店) の 2 店が有名だ。どの旅行ガイドを読んでも、こちらで本場のエッグタルトを食しましょう、と金科玉条のごとく書いてある。しかし、カフェ・エ・ナタは意外に休みの日が多く、閉店時間も早い。ロード・ストウズ・ベーカリーの本店は歴史的価値はあるのだろうが、なんと言っても遠すぎる。これでは、マカオであれやこれやと多忙な世のお父さん方は、おいそれとエッグタルトを楽しむこともできないじゃ無いか!と言うことになる。そこはご安心あれ。ここはアジアが誇る不夜城マカオ。上記の有名店に勝るとも劣らないクオリティのマカオ式エッグタルトを、夜遅くまで安定供給してくれる店があるのだ。

 

「如珠如包 (Buns & Bubbles)」は、米国資本の IR, ウィン・マカオ・ホテル (Wynn Macau Hotel) 内のベーカリーショップだが、ここで供されるモノがなかなか侮れない。冷房完備の優雅な環境、待ち行列無し、一つ 13 パタカ (MOP) とホテル内にしては良心的な値段で、本格的なエッグタルトを楽しめるなら、もはやなんの文句もない。

 

ウィン・マカオには、有名な噴水ショーや、館内の「吉祥樹」などのアトラクションがあり、ショーのちょっとした待ち時間に、同店をサッと利用するのもおすすめだ。

 

【如珠如包 (永利澳門店)】
澳門外港填海區仙德麗街
永利澳門酒店地面層
営業日時: 月〜日 9:00 – 22:00

ウィンパレス・マカオ (Wynn Palace Macau) にも店舗有り